好きな書体で書いてあると買いたくなります

最近の印刷物は、写研書体が使われなくなっていますが、私が見て、読んで、しっくりくるのは写研の書体です。本や雑誌が大好きで、多くの印刷物 はに接していた頃、ナールやゴナなどのゴシック系の文字や、明朝体も石井明朝や本蘭明朝などの書体は、見ていて美しさがあり、なじみもあるので頭にも残りやすい印象があります。

最近の印刷物はパソコンに入っている書体がほとんどですね。私にはリュウミンは読みやすいのですが、子どもの教科書に使われている教科書体がどうもなじまず、なぜか頭に入りにくいのです。こういう方は他にもいらっしゃるでしょうか。

小説をよく読んでいた頃、好きな書体を使った出版社の文庫本をついひいきにしてしまうこともありました。最近は小説よりも漫画をよく読んでいますが、漫画の書体はなんとなくなじむ感覚があります。漫画の書体はだいたい決まっているものなのでしょうか。どの漫画を読んでも読みにくさは感じませんね。主に明朝体が使われていることが多いと思いますが、明朝体がそもそも読みやすい書体なのでしょうね。

パッケージの魅力というのも、書体によるものが多いです。同じような雑貨でも、シンプルなパッケージに、印象的な書体が置かれていると、つい手に取りたくなります。100円ショップも以前はダサいパッケージが多かったですが、店内がちょっと素敵な感じになってきたのは、シンプルなパッケージに太ミンなどで書かれていると、何となく意識高い系のグッズに見える効果が出るからでしょう。

「ていねいに暮らす」などがテーマの雑誌も、力強く訴えるというよりは、佇んでいる感じがします。その素敵さが、フォントによって演出されているということです。この本を読むとていねいな自分になれそうな印象を与えているのですね。

力強さはやはりゴシックが演出するようで、筋膜リリースとか、運動系の本は新ゴ体や見出しゴシックが多いのではないでしょうか。新ゴはゴナと同じように、使いやすい書体とみえて、漫画の吹き出しの中の強調部分にも多く使われます。

ユニバーサル書体というのもあり、誰が読んでも読みやすく、読み間違いが少ないように作られているので、こういった書体は美しさと実用性が兼ねられている、デザインの本質を表わすものだと思います。

自分にとって心地いい書体で書かれた商品は思わず手に取り、買いたくなってしまうのがフォントの持つ訴求力だと感じています。このような書体を生み出すデザイナーの方々の力に敬意を覚えてやみません。