現在では文章を書くときにパソコンなどを用いることがとても多くなっています。間違いをチェックしたり文章を挿入したりするときにはとても便利な道具です。レポートは報告書などを作成するときには、それほど意識しないで、どんどん文章を入力していくことになりますが、パソコンなどで文字を入力するときには、特定のフォントや書体を用いています。
ほとんどのパソコンソフトでは、始めから標準的なフォントや書体を設定してあるので、最初から自分で設定しなくてもそのまま使用することができます。確かに、最低限必要な文章を入力するにはそれでも何の問題もありません。しかし、読みやすい文章を作成することを考えると、特定の標準的なものだけを用いているのでは十分ではありません。
レポートや報告書などは、提出することが必要とされているので、フォントや書体などの体裁にこだわる必要はあまりありません。一方で、インターネット上にホームページを作成したりするときには、少しでも多くの人に読んでもらうことが必要になることもあります。そのようなときには、フォントや書体を工夫することが必要になるのです。
標準的なものは、文字の判別のしやすさに主眼を置いているので、内容を確実に相手に伝えるのには適していますが、それが読みやすいものであるかは別です。また、特定のフォントや書体のみで構成された文章は、それだけで読みにくいものになっていることがあります。実際、同じような体裁の文章がページ一杯に詰まっていると、とても読みにくいと感じることが少なくないと思われます。
文字の読みやすさは、文字そのものの読みやすさと同時に、適度な変化が必要になります。そこで、標準的なものだけではなく、いくつかの種類のものをまじえて使用することが望まれます。しかし、あまりにいろいろなものを混在させると、今度は文章の体裁自体が雑な印象を与えることになって逆効果です。そこで、強調したい文字や、特に伝えたい文章についてフォントや書体を変えるなどの適切な方法を用いることが重要になります。
文章の体裁はデザインに近いものなので、デザインのセンスに似た技術が必要になりますが、これは特別に芸術の才能が必要というわけではありません。いろいろな文章を作成する中でフォントや書体を工夫することで、次第に養われていくものだと考えられます。
このように実践を通じて、体裁にメリハリのある文章を作成することができるようにすることが大切なのです。