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フォントとは?


フォントはある様式に従って文字をデザインしてそれをパソコンなどで表示したり、印刷できるようにしたものです。パソコン内では「0」と「1」の組み合わせ(2進法)でデータ化されていますが、液晶画面などに表示するときやプリンターで印刷するときに文字となって表現されます。書体とも呼ばれていますが、これは昔あった写植のなごりで、ゴシック体(カクカクした感じの書体)とかナール(丸文字の書体)などと呼ばれていました。写植とは、写真植字といい、文字が沢山書かれた文字盤の上から光を当ててその下に写真用の印画紙が置いてあって、光が当たった部分が露光して印刷されます。写真のように文字を印画紙に植え付けるので「写植」と呼ばれています。1980年代にDTPが普及するまでは写植が一般的な版下の作成方法でした。

手書きで書かれていたフォント?


DTPの全身である写植も当時はコストが高かったので文字を手書きで書かれていたころもありました。(レタリングと呼ばれています。)今ではロゴやマークなども総称してレタリングと呼ばれていたりましすが、もともとは手書きで書く文字をレタリングと呼んでいました。古いTV番組やTVCMをネットで観るとテロップや字幕などで手書きのものが結構あります。よく見ると文字の曲線部分がいびつになっているのがわかります。手書きで書いているため曲線や細かい部分がブレテいます。現在でも映画などの大きな看板では職人の方が手書きで文字を書いていることもあります。

フォントの歴史①:手書きから写植、ワープロへ


フォントは初めの頃は手書きで書かれていましたが、次第に便利な写植機械が販売されてきて便利な時代へと入っていきました。写植機を使うには文字の送りや行間を「歯」で指定します。これは歯車(ギア)で文字を送ったり行間を送ったりするからです。写植機を使う専門のオペレーターさんがいて、デザイナーの指定通りの書体を使って指定通りの文字間、行間にして文字を打っていきます。文字を植字した印画紙を暗室に持って行って写真と同じように現像していて結構手間のかかる作業をしていました。やがて、文字の選定や送り、行間などを便利にした電算写植という機械が出てきました。文字通り電子計算機能が付いた写植です。今までの写植機だと書体の選定~文字の送りなどの設定が面倒でしたが電算写植が出来てスムーズに文字の植字ができるようになり、版下の作成までの時間が短縮されました。

これと同じ時期にワープロ(ワードプロセッサ)が出てきました。ワープロは文字の出力専用の機械で画面で文字を入力すると同じ状態でプリントすることができ、画面を見ながら文字の校正もできて写植よりもかなり短縮される便利なものとなりました。当時は書体と言えば明朝体だけでしたが会社の社内報や企画書などで低コストで作成できると大きく普及しました。ワープロの普及により、かしこまった印刷物は写植で、簡単な印刷物はワープロでと使い分けられるようになりました。

フォントの歴史②:DTPの普及


1980年代は写植とワープロの他にDTPが普及し始めて混戦を極めてきました。DTPとはデスクトップパブリッシングの略で印刷用の版下データをパソコン内で完結するものです。ワープロでは文字が明朝体だけであったり、文字のふち部分がギザギザ(シャギーといいます)になっていたりと一般の印刷に使うには低レベルでした。そこにMACなどに代表されるパソコンに多くの書体を含んだフォントデータを保存したり、文字やイラスト、画像などを編集できるソフトウエアが開発されたりして印刷用に使えるシステムが出来上がりました。写植ではできない総合的な版下の編集がパソコン上で出来るようになったことで大々的に普及して現在でも進化しています。

DTPが普及したことで写植は急激にシェアを下げていき、今ではほとんど見かけなくなってしまいました。でも、写植の文字やあの行間が好きというマニアックなデザイナーさんは今でも写植をもとに版下を作成してる方もいるようです。確かにあの雰囲気は電子化されたフォントシステムでは表現しきれないところですので、写植機が細々でも残ってほしい気がします。

フォントの歴史③:フォントの種類は圧倒的な数に


写植の頃は書体の数はほんの数百程度でしたが、DTPになってからは数えきれないほどの圧倒的な数になっています。英文字だけでも数千種類、フリーフォントを入れれば数万単位になるのではないでしょうか。フォントを作る際にもパソコンを使ってフォント作成のアプリでデザインしていくので、手書きで書き起こすよりも短時間で作成できるため種類も増えてきました。ただ、英文字でしたらアルファベットを含めて数十ですが、日本語のフォントは漢字、ひらがな、カタカナですので数千文字をデザインするので作成者も大変な苦労になります。